不安を安心に変えるコラム
椎間板ヘルニアは腰痛の原因?
レントゲンやMRIなどの画像に写し出された構造的な異常所見は、腰痛との関連性が強い印象を受けてしまいますが、痛みとの関連性はどの程度あるのでしょうか。今回は、椎間板ヘルニアや、狭窄症、半月板損傷といった「構造的な異常」と「痛み」との関連性についてお伝えしていきます。
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椎間板ヘルニアは腰痛の原因?
レントゲンやMRIなどの画像に写し出された構造的な異常所見は、腰痛との関連性が強い印象を受けてしまいますが、痛みとの関連性はどの程度あるのでしょうか。今回は、椎間板ヘルニアや、狭窄症、半月板損傷といった「構造的な異常」と「痛み」との関連性についてお伝えしていきます。
椎間板ヘルニアは
腰痛の原因ですか?
医療機関や治療院によって痛みの原因の説明が違う・・。
こんな経験はありませんか?
これは、医療機関や治療院によって
痛みの原因の「捉え方」に違いがあるからなんです。
日本の医療機関は「生物医学モデル」が主流
現在、日本の多くの医療機関では、「生物医学モデル」に基づいた説明が主流となっています。
生物医学モデルとは、「痛みとは構造的な破綻や損傷から生じる」という考え方で、簡単に言うと、「骨が変形しているから痛い」「椎間板が潰れているから痛い」といった考え方です。
椎間板が突出して神経を圧迫している状態であれば「椎間板ヘルニア」、脊柱菅の狭窄が確認できれば「脊柱管狭窄症」といった構造的な異常所見を基に診断名が付けられます。
つまり、医療機関ではこのような構造的な異常所見を腰痛の原因として重視する傾向があり、痛みを「構造的な異常=痛み」と捉えているケースが多いということです。
しかし、実際は手術で原因を取り除いて構造的な異常を修復しても痛みが消えなかったり、また、手術を受けなくても痛みが消える場合があります。
どういうことなのでしょうか?
画像の検査結果と実際の症状は必ずしも一致しない
痛みに悩む多くの方は、痛みの原因を特定するため医療機関でレントゲンやMRIなどの画像検査を受けようと思うのではないでしょうか。
もちろん画像検査は、骨折などの明らかな外傷や、感染症やリウマチなどの炎症性疾患が痛みの原因かどうかを見極める為には必要不可欠です。
しかし、画像検査を受けても異常が見つからず疑問を抱いたり、また、骨の変形など構造的な異常が見つかっても次のような矛盾を感じたことはありませんか?
- 右側も左側も変形しているのに片側だけ痛む
- レントゲンやMRI画像とは異なる部位に痛みがある
- 手術をして原因を取り除いても痛みが消えない
- 変形が治らなくても痛みが軽減したり消失したりする
- 明らかに痛みがあるのに画像検査では異常が見当たらない
- 椎間板の異常に変化がないのに日によって痛みの強さが違う
ではなぜ、このような多くの疑問や矛盾が生じてくるのでしょうか。
実はここ数十年の研究では、これらの異常所見と腰痛の間には必ずしも直接的な関連がないことが判明してきているのです。
これは、近年のMRIなどの画像検査の進歩により、画像検査で構造的な異常が認められても痛みのない無症状の方が多く存在するという事実が判明してきたからです。